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茨城日記 1

日々はあっという間にすぎてしまうから、私たちは時々、大事なことを時空の狭間に置いてきぼりにしてしまう。華やかなものや刺激的なものに目を奪われるのは当然のことであり、一個のりんごの美しさと強さを忘れてしまうひとが多いのも多分に納得できる。しかし高い青空の下に無数になる果実や、咲き誇る花々、朝焼けに表情を染める海の前に立つと、何か間違っていたことや寂しかったことが溶けて宙に消えていくような気がするのも本当だ。スローモーションの線香花火のように太陽が海にゆっくりと落ちていくのも、日差しが虹色の光を作るのも、夜空に瞬くオリオン座が神々しくて泣きそうになるのも。私たちは太古の昔から知っていたはずなのに、忘れちゃっていたみたい。どうして?茨城は流行りのアミューズメントスポットと比べたら地味に思われがちだけれど、関東圏ながら人間の当たり前の暮らしや緩やかなリズムがまだまだ大地に息づいていて、心の時計の針を直すのにはもってこいの場所だ。特に都会の喧騒に辟易している者にとっては。

 

Photo : 1 & 2 by Jiru

Location : Ibaraki

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